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鬼質研究活動
鬼質時代とは
鬼質学年表
採集のてびき

『大佐用』

野田元斎のファミリア

おもに「わいら紀」の文献上に確認されている妖怪の話に関連ある人間の名前などをまとめたものです。

アイ嫁入り前日に食中毒で死んでしまい、花嫁衣裳の袖から手をだした。
青山伊之助信濃吉田の庄屋。旅の坊さまの宿泊を断る。
あき【泥田坊】に遭ったなまけ者なおかみさん。夫の名は半左衛門。
●秋元三左衛門【土蜘蛛】を斬る。館林。
●阿部平作 ▼1山賊に追われたが【さがり】が山賊の上に落ちて来て助かった。仙台。
●鮎貝某【水しにがみ】を斬って死んだ仙台藩の武士。
●石井幸三つりをしてたら【川赤子】の声がびくから聞こえた。多摩川。
石栗勘由【幽霊石】を斬った小姓頭。福島の武士。
池田正右衛門野尻湖で【ひでりかみ】に遭った。
●伊東信之助【ぬけ首】に困らされる。宇和島の武士。
宇一郎 ▼2【紅鼠】がおしよせるのを見た。津軽。
●上原正太郎【ぬりかべ】の透明な壁に四方から囲まれる。四国。
牛鬼の医者【古猿の化身】の病状を見に来る。
うの深谷の鹿右衛門の妻【屁たれ嫁】。
栄地文左衛門山でかすみ網をはっていたら【生首】がかかっていた。農鳥山。
●おいと行方不明になり【山姥】になった娘。青森五戸。
おいね婆山道で【餓鬼】におむすびをあげた。
大原直浪人。只野半三郎と金山を探しにゆき怪しい女に遭う。
太田新七郎旅の武士。天童の【化物寺】で道具の化け物たちを退治る。
●大田清兵衛【のづち】が小動物たべてるのを目撃した。四国。
●太田信衛殿様が来宅したら家に【ぬらりひょん】が来た。和歌山の隠者。
太田孫市郎松代城下の寺子屋師匠。【天井さがり】に遭った。
●太田増左衛門顔がほうずきみたいな【ちょうちん小僧】を見た。仙台。
●大谷五三郎【蛇蛸】を見た。
おとよ【ろくろ首】な女。上之山の旅籠女。
●大場耀之助と女房【竹切り狸】の音をきく。京都。
おのう惣左衛門の嫁。蛇になってしまい池に身を投げる。原野の長者の娘。
小畑某安中藩士。【影女】に遭った。▼9
海人海でいろんな人間の生首を持ったからすの群れを見た旅の俳人。
●梶尾文平晴れなのに大雪だと見せる【雪ふり女】に化かされる。新潟。
嘉助と女房新婚家庭に【うわん】が出て眠れなかった。
門原右近父のために琵琶湖の水を汲んでくる孝子。
●鹿野屋新三郎腰から下がサメの【人魚】を見る。宮城。
●亀山青之進【河童】に引かれて沈没する泳ぎの達人。佐賀。
●川井甚五秋田の茶店で【片足女郎】に遭う。
岸本長助と女房【つらら女】に風呂をすすめちゃった。秋田。
喜助【座敷童】に「そろそろ時間だよ」と呼び出される。
久兵衛息子の信太郎を【天狗】にさらわれた。有明山の杣人。
●京屋藤兵衛【竹寺の怪】に遭う。京都。
●きんいち【くだん】の予言でうちが焼けたかわいそうな近所のひと。
金之助【網切】に蚊帳を切られて蚊にくわれる。
●源兵衛【つちころび】に遭う。
強左衛門弓の名手。酒田の長者の娘にちかづいた【狐】を退治る。
小海啓仙遠くに住む娘が焼き場で骨をひろうまぼろしを見た。津軽の武士。
五右衛門【むじな】が火にあたりにやって来る。角館のかんじき職人。
小八徳大寺家の下男。月衣姫と恋仲になるが結ばれず死に亡霊に。
小林庄左衛門船吉の諏訪右をしびれ薬の酒で捕まえる。生首に悩まされ狂死。
駒井右京小川原湖に倒れた公家の姉妹の供。菩提を弔う。青森。
権三郎笛の名人。笛吹川の笛の音のぬし。
酒井吉左衛門妻の没後、【影女】が家にすみつく。鶴岡の武士。▼9
佐々諦之助おぶさりたいという妖怪をかついで帰る。宮城亘理。
佐々木精一郎彦根の浪人。栗駒山で【浄瑠璃をうたえる骸骨】を拾う。
●佐々木半左衛門【磯餓鬼】に遭う。伊豆の利島。
佐藤五兵衛羽村。ひょうたんの中で老人2人が絵を描いてるのを見る。
佐野某濃ヶ池で【半どきばばあ】に遭う。 ▼4
●三五市殺されたあと【手の目】になった座頭さん。
●椎名玄理音にひかれた妖怪たちが庵に大量に来た琴の名人。奈良の隠者。
鹿右衛門深谷。【屁たれ嫁】うのの夫。
治三郎【かわつづみ】の音を聴いて川に入りそうになった。
●渋谷伝左衛門かたつむりたちが高く跳ぶ競争をしてるのを見た。
●清水西五郎【さがり】を見てびっくり。岡山。
周助薬問屋の番頭。蟹に首を切り落とれて困る。
●松庵伊豆で女の【舞首】を見た医者。
松仙 ▼3【ろくろ首】のおとよの絵を描く。旅絵師。
●松仙【しろぞうす】にふすま絵を消されちゃう。堺の絵師。
●白石三右衛門【ぬけ首】にハァハァ息をかけられ死亡。宇和島の武士。
しらぎく姫白馬岳の【竜神】に懸想される。越後の国の姫。
新三郎【小雨坊】に遭いアワをあげた旅人。
じん太郎旅の若い娘に変じてた【白山権現】を泊めてあげた。尾小屋。
鈴川屋【かわうそ】がお酒を買いに来ていた仙台の酒屋。
惣左衛門蛇を鎌で切るが後に嫁のおのうが蛇になってしまう。原野の農民。
●惣助「いたらお目にかかりてぇ」と言ったら【油すまし】に遭った。
瀬川喜平元軍人。死後にあの世から手紙を出した。
総助信濃飯山。【蜘蛛】の幻影に襲われる。
曽我三五郎鎌倉で【生首投げ】に遭った。
●大黒銀兵衛障子をなくして【影女】を退治する。丸亀の武士。▼9
たか信濃吉田の庄屋・青山伊之助の妻。旅の坊さまの宿泊を断る。
●高田三郎たこつぼを引き上げたら【蛇蛸】が入ってた。
●高橋卓之助豊後の山道で【つるべ火】を見た。熊本の武士。
只野半三郎浪人。笛が得意。大原直と金山を探しにゆき怪しい女に遭う。
●田中豊太郎【やかんづる】の水をのんだ。長野。
武田行之進下女に殺されるが、その下女を【古ぞうきん】が殺す。
田中勇之進【天井なめ】にお城のクリーニングをさせた。館林藩の武士。
●谷口山三郎【一反木綿】を斬った。
田原左門江戸馬道の浪人。行倒れのひとを弔う。その骨が金に変わる。
田村誠一郎屋敷に【古篭火】が出た。山形の武士。
たみ【榛名湖の主】に惚れられて妻になる。▼7
田宮義和鬼の腕を所蔵していたがそれに殺される。浅草。
●近石半兵衛【米とぎばば】を見た。香川。
長助【山びこ】の足を鉄砲で撃っちゃった。会津。
月衣徳大寺家の姫君。下男小八と恋仲になるが結ばれず死に亡霊に。
峠ノ五右衛門山で美女にあう。怪しんで刀で刺したら岩だった。
遠田弥一郎一文字屋の娘の遺体を遺体と知らず誘拐。
●土左衛門【天井なめ】が家に来る。紀州のなまけ者。
●富田久米造茶店で【石かじり】を見る。
とめ深谷。【屁こき嫁】うのの姑。
直吉江戸の小間物商人。巡礼娘を弔う。その霊がごはんを作ってくれる。
●永井六左衛門【蛇骨婆】の塚をみつける。島根。
永田誠之進宝剣山に行ったとき【手の目】に遭う。松本藩の武士。
●永見某【いしなげげんじょ】に着物をあげた古着屋。
●中村金太夫【袋下げ】に遭った。長野の武士。
●中山栄太郎【吹消婆】に「なんてババァだ」と怒った。金沢。
梨木屋利助南部の商人。予定よりはやく死んでしまう。
成田某松本城のさむらい。夫妻とも死後に骨となって歩き回った。【骨女】の類。
仁吉商家の番頭、主人の娘と恋仲になる。【くらわらし】に仲介される。
仁左衛門【高女】に笑われた名主。
西田清左衛門【屏風のぞき女】に遭った。
西野某お化け石にごろごろ追いかけられる。岩手紫波郡。
ぬえ猟師。黄金の弾で【大蛇】を撃ち殺す。岩手上閉伊。
●野田元斎【わいら】がもぐら食べてたのを山で見る。茨城。
のぶ信濃飯山。総助の母。
信太郎【天狗】にさらわれ天狗になった。有明山の杣人・久兵衛の子。
信太郎【天狗】にさらわれ天狗になった。有明山の杣人・利兵衛の子。
半沢英二郎水中に奪われた殿の鉄砲を探しに行く。佐竹の家臣。(川熊の話)
●半沢正一郎舟で寝てたら【磯おなご】に遭う。九州。
半沢屋吾助たくさん現われた【障子の目】を採って江戸の目医者に売った。
日野屋房助父のために琵琶湖の水を汲んでくる孝子。
●日吉屋売り惜しみをしたら蔵の米が全部鼠の死骸になった米屋。 ▼8
ふじ蛸が小姓に化けてかよい孕まされちゃう。相馬。
船吉の諏訪右ふなよしのすわすけ。大泥棒。首を刎ねられるが生首になって転がる。
ふみ夫への嫉みから焼岳に身を投げた。火口から出た煙で夫と妾は死ぬ。
ふみ江戸馬道の浪人・田原左門の妻。
古畑某【輪入道】に遭遇し、直後に熊の穴に落ちて死んだ。 ▼5
●文四郎蛇が七本足の蛸にかわるのを見た少年。越後刈羽。
古瀬大二郎ふしぎな【春雪島】に漂着した。武士。
●平三郎 ▼2【紅鼠】がおしよせるのを見た。津軽。
平十郎山でかすみ網をはっていたら【生首】がかかっていた。猟師。
●細川直太郎【たつくちなわ】を見た。小倉の武士。
本間家の人々お化け石のかけらを炭竈にして熱病。岩手紫波郡。
孫四郎旅に出て淵の主姉妹の言伝てを引き受ける。秋田。
●正木兵三郎山賊に襲われたとき【滝霊】に助けられた。熊野。
増田某酒井吉左衛門の友人。酒井の家で【影女】に遭う。鶴岡の武士。▼9
松沢喜内足に目の玉が生えるふしぎに遭い、行事が成功する。南部藩の武士。
●松野純之進粟島にゆく舟で【うきもの】を見た。越後の武士。
●松前屋信十郎【風だぬき】を見た。大阪。
松村新八郎【幽霊】の目を火だとおもって煙草の火をつけようとした男。
●松村仙左衛門【濡女】に襲われそうになる。山口徳山。
松本久之進【女郎蜘蛛】のいる浄蓮の滝に斧を落とす。
●三浦屋清兵衛大阪へ行く途中の寺で【こくり婆】に遭う。
●村松甚太郎【天井さがり】に遭う。彦根。
本原屋市兵衛長岡の商人。死後、死者の里に住み三途川渡し場に来る人を眺める。
森平【山の神】が自分の子の運命をしゃべってるのを聞く。岩手下閉伊。
矢木屋富右衛門世話好き。自分が死んだ時も動き出して葬式を取仕切る。秋田。
弥佐衛門【八面大王】にさらわれた有明山の薬草採り。▼6
弥助弥左衛門の子。坂上田村麿に【八面大王】退治用の山鳥の尾を渡す。
安成久太夫【山みこ】に鷲峯山で遭遇した。武士。
●柳田行之進【人魂】を打ち落とした。江戸の武士。
●山木七五郎【影くう女】に影を食わせたら死んだ。江戸の武士。
山之坊のまん糸魚川の山之坊にいた【山男】。
遊仙▼3 【足のものすごくのびる女】に遭う。旅絵師。
湯田靭負女のおばけが家にすみつき、寄合の時の料理を作ってくれる。仙台。
山中兵部小川原湖に倒れた公家の姉妹の供。菩提を弔う。青森。
●与三郎【きつね】の三味線の音に関心する。津軽の三味線ひき。
●芳太郎【しずかもち】のおかげで豊かになった。群馬邑楽。
●米山屋五七【こなきじじ】に遭った。行商人。
栗鼠の山伏【古猿の化身】の病状を卜しに来る。
利兵衛息子の信太郎を【天狗】にさらわれた。有明山の杣人。
竜左衛門と妻祖父谷と祖母谷のはなし。黒部の山廻役。▼6
良深柏崎の明蔵寺の僧。【佐藤ヶ湖の主】が引っ越す時あいさつされた。
和井内行松山の中で【児泣婆】に遭った。
●渡部菊太郎ふしぎな泉をのんだら口から蝶が舞い出すようになった。松江の武士。


 『日本妖怪集』
 『東北怪談の旅』
 「日本の妖怪・変化・魔神」――『妖怪魔神精霊の世界』
 『おばけ文庫』
 『民話』シリーズ
 『アルプスの民話』
 『アルプスの民話 アルプス妖怪秘録』
 『信濃の民話 信濃化けもの秘録』
 『怪談の世界』

附註
▼1 阿部平作の話(雪女房とさがりが出て来る)は山田野理夫の母(山田はる)から聞いた話だと『おばけ文庫』(1976)には書かれています。
▼2 海から押し寄せてくる紅鼠の話に出て来る人名は本によって変わっており、宇一郎は『東北怪談の旅』(1974)、平三郎は『おばけ文庫』(1976)にあるものです。
▼3 「首長女」の話(1974)の松仙と「しろぞうす」(1976)の話の松仙が同一人物なのかどうかは不明です。また『おばけの民話』の「木曽谷」の話の遊仙との関係も不明です。
▼4 「半どきばばあ」という表記は話の内容で米をといでいる事から「米」の魯魚かと思われます。なお、話の舞台である濃ヶ池(のうがいけ)は「おのう」と「惣左衛門」の話(1962)や「濃ヶ池の娘」(人名表記は無く内容も違う)の話("アルプスの伝説")にも登場しています。
▼5 「わにゅうどう」ではなくて「りんにゅうどう」です。
▼6 『民話』シリーズ『山と湖の民話』にも登場。
▼7 『民話』シリーズ『ふるさとの民話』では竹久夢二のノートにあった話として書かれる。
▼8 『民話』シリーズ『おばけの民話』にも登場。日吉屋庄兵衛。
▼9 酒井吉左衛門の【影女】と大黒銀兵衛の【影女】と小畑某の【影女】のはなしは別物。

References
Yamada Norio, In: Alps no minwa, Tokyo, Tyobunsya,1962
Yamada Norio, In: Nippon Yokai syu, Tokyo, Tyobunsya,1969
Yamada Norio,"Nippon no Yokai,Henge,Mazin tati", Yokai Mazin Seirei no sekai, Tokyo, Ziyukokuminsya,1974
Yamada Norio, In: Tohoku Kaidan no tabi, Tokyo, Ziyukokuminsya,1974
Yamada Norio, In: Obake bunko (1-10), Tokyo, Taihei syuppansya,1976
Yamada Norio, In: Kaidan no sekai, Tokyo, Zizi tusinsya,1978


Yamada Norio, In: Alps no densetu, Nagano, Nakazawa
Yamada Norio, In: Alps no minwa "Alps Yokai hiroku", Nagano, Nakazawa
Yamada Norio, In: Sinano no minwa "Sinano bakemono hiroku", Nagano, Nakazawa