「ながきよ世のとをのねぶりの」――と、お正月の初夢用の「宝船」の絵紙にもよく書き込まれていた、回文になっている和歌の上の句の5・7の部分が冒頭の宝船の絵には書かれています。
宝船の上には七福神たち(布袋・大黒・弁天・恵比寿・福禄寿・毘沙門天・寿老人)が全員乗り込んでおり、7名ともにすやすやと眠っています。風を受けてふくらんでいる帆には熨斗[のし]と如意宝珠の絵、舳先には鶴、船の近くの波間には簔毛[みのげ]も生えた亀が顔を見せていて、おめでたい縁起のよい「序開き」になっています。
4作めの百器徒然袋は、石燕が「夢」のなかで見た妖怪たちを描いているという基本設定が敷かれているので、それにあわせて「初夢」と縁の深い宝船が選抜されていることがわかります。
up.2026.05.11