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妖怪要説 鬼質学紺珠

鬼質時代 神代(Ancient era)

もっとも原初にあたる区分で、時代を遡ることが出来る限界点である。

神代を妖怪たちの最も古体として位置付けるのは、江馬務の妖怪変化史の時代区分(『日本妖怪変化史』)や藤澤衛彦の年表(『図説日本民俗学全集』)に倣うものである。

岩戸紀(いわとき) Iwato period

世界が出来始めの頃から、神々たちが国造りや子作りをしてた頃。
日本の神話では明確な人間の発生が説かれたりしない場合が多いので厳密な線引きは困難ではあるが、人間が活動をはじめる時期として人間が王朝を形成したとき(神武天皇の即位)に至るまでを岩戸紀と定めてある。

この時代の様相については、後の時代(鎮護国家紀にあたる)に編まれた『古事記』や『日本書紀』や、『風土記』などに編入された神話や記事など登場するものを鬼質学的証拠の一部と見て、そこから想像してゆく以外の方法はない。

各地の寺社の縁起物語や、『先代旧事本紀』(9世紀以後?)『神皇正統記』(14世紀)など諸資料も参考としてゆくことは可能であるが、仏教や道教などの理論的な面との混交による進化を含んだ描写なども多いため、それぞれは各影響のあった時代区分以後での分化・進化と捉えることが必要である。無論、それらの要素は現行の記紀神話などにも存在しており、手放しですべてが岩戸紀当時のものであるとはいえぬ。
しかし、時代区分が重なってゆくに従って、岩戸紀に存在していたと仮託されるものが増えてゆくという点は興味深いところである。実際の発生時代よりも「古くから存在している」ということが求められがちなのは、妖怪に限ったことではないが、伝承の金看板としては求められがちなものである。

葦原紀(あしはらき) Ashhara period

大和朝廷が出来上がった頃から、宣化天皇の頃。この時期も、基本的には後の時代に編まれた国史などからの想像に拠っている。が見られるほか、各地で吉凶の兆しとして動物の妖怪が出た。

埴輪や銅鐸などの出土遺物からなにかしらの痕跡をうかがうことも可能であろう。

page ver.1 2018.1.11 妖怪仝友会