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妖怪要説 鬼質学紺珠

鬼質時代 近代(Modern era)

鬼質時代区分での現代と近代の違いは、伝承妖怪画像妖怪の乖離と混交である。

詳しく述べれば、なるべく画像妖怪ではない伝承妖怪を切り出して整頓する見方が生まれた(圓國紀)期間が近代(Modern era)であり、それとは別に画像妖怪と伝承妖怪とが並行・混交した状態があり(今までの各時代区分+開化紀・新おとぎ紀)そこに近代が影響を与えることによってさらに多くの進化が発生しはじめたのが現代である。

開化紀(かいかき) Kaika period

安政文久の欧米に対しての開港以後、徳川代の一般社会に存在した以外の西洋の文化が多く入ってきた頃。ただし、このあたりは階層差が存在するので、徳川中葉以後に蕃書を通じて入って来た妖怪たちもこれに当たる。

伝承妖怪の中には機関車に化けた狸など、画像妖怪の中には戯文に登場する鯰公などが代表的な妖怪として挙げられる。豆絵では蝙蝠傘(洋傘)・ランプ・地球儀・インク壺・学校・月給取りなど新たな題材が自然と増殖していった。

こっくりさんは、明治16-20年ころにアメリカから流入している。(参考 宮武外骨「奇事流行物語」)

圓國紀(えんこくき) En-Koku period

井上圓了によるScience(科学)、柳田國男によるFolklore(民俗学)による照らし出しが起きた頃。日本の各地方地方の人間の生そのままに近いの伝承が多く観測出来るのはこの時代以後のものである。伝承妖怪の流れで言えば新著聞紀(徳川代)を直接受けている側面が強く、流入発達も多い。

Folklore(民俗学)の発達による大幅な伝承妖怪の流通から、開化紀に圓了世を入れ、こちらを別に國男紀と称するべきであるとする場合もあるが、基本的な向きは伝承妖怪を真面目に舞台のうえにあげた、という画期である。

現代の伝承妖怪を基本対象とする流れは、この圓國紀がそのまま延長したものの上にあるものである。

▼円国紀と表記しても良い。¥国すなわちニッポンである。

新おとぎ紀(しん-おとぎき) Upper Otogi period

おとぎ紀(足利代)に発生したものが新たに進化したり、世界各地から輸入されたものが流入していった頃。

欧米からの影響が多大でもある。例を挙げればノルウェーのHellig-Olav(聖オーラフ)の話が翻案されて『大工と鬼六』になったりしている。(参考 櫻井美紀「「大工と鬼六」の周辺」)また、各国の神話伝説や、グリム童話、イソップ童話などの影響も以前の時代区分以上に濃いものとなっている。

妖精悪魔人魚のイメージが採り込まれていった欧米の画像妖怪のデザインを摂取して定着していった時代である。

page ver.1 2018.1.11 妖怪仝友会