『画図百鬼夜行』下巻(風)の題詞です。各巻の題詞の揮毫は、鳥山石燕の友人・老蚕(牧冬映)の手によるものです。巻次として用いられている「陽」の字が篆書[てんしょ]で書かれています。
老蚕の署名は上巻では楷書、中巻では行書、下巻では草書になっており、古来から題簽などに用いられている「巻ごとに、異なった書体を用いる」という流れが用いられています。
『画図百鬼夜行』に用いられている「陰・陽・風」は「六気」のうちの半分を前編の「上・中・下」を示す巻次のつけかたとして用いたもので、漢籍などに存在して来たものです。
「陰・陽」に対すれば「風・雨」が対になっている組み合わせなのですが、「雨」にあたる『今昔画図続百鬼』の上巻との構成や内容の関係は深くありません。あくまで『今昔画図続百鬼』は時間を遷して、異なる構成基準で製作されていると言えるでしょう。
up.2026.08.16
▼六気…序・老蚕「陰陽風雨晦明をもてわかつ」参照